Previous
Next

木村盛康

独自の天目を探求し続けて。無限の可能性を秘めた天目

作家によって大きく異なる「天目」は自身の技術と表現を発揮できる最も魅力的なやきものである。若い頃に見た「油滴天目」に魅了され、天目を志し、天目一筋50年。木村盛康先生は兄で天目作家の盛和氏や他の作家とも違った「自分独自の天目」を追求し続けてきた。
それは「油滴天目」を目標として、或いは原点のイメージとして制作を行うのではなく、あくまで自分の納得がいく「自分独自の天目とは何か」という視点でアプローチを行っている。50年を経た現在においても、「未だに次にどういうものが出来上がるかわからない。」盛康先生はそう語ります。
鮮やかで奥深い釉調、それは夜空に瞬く星群のような神秘的な輝き。「松樹」「宙(そら)」「天空」「アンドロメダ」ほか、何種類もの独創的な天目作品を生み出していても、なお、盛康先生は止まることを知らない探求心をお持ちです。「盛康天目」はこれからも進化し続けていきます。

伊勢神宮、上賀茂神社等に奉納
ハーバード大学博物館、フロリダ国際大学美術館等海外でも多数所蔵
百貨店ギャラリー等での個展45回

1935 京都市五条坂生まれ


1956 京都市工芸指導書所陶磁器技能者養成専科卒業後、兄、盛和に師事


1963 日本伝統工芸展初入選


1970 第17回日本伝統工芸展出品作品「天目釉壺」外務省買上


1978 日本工芸会第7回近畿支部展で「松樹天目壺」優秀賞


1986 故宮美術館に「松樹天目壺」所蔵。永久保存


1993 ボストン美術館に「禾目碧天目壷」「松樹天目茶盌」「窯変禾目碧天目茶盌」所蔵


1996 ダラス美術館に於いて「日本の黄金時代桃山展」に招待出品、「華炎天目茶盌」「松樹天目花入」「禾目碧天目器」所蔵


1997 ヒューストン美術館に「窯変禾目天目壷」「禾目碧天目茶盌」所蔵


1999 大英博物館に「華炎天目大鉢」「松樹天目茶盌」所蔵


2001 京都国立近代美術館に「松樹天目大鉢」「「松樹天目花器」「天目釉壷」「灰釉壷」「遊漁天目釉大鉢」所蔵


2005 京都府文化賞功労賞受賞